「補助金の有効活用とは」

札幌Ring所属行政書士の小黒と申します。

皆様先日行われた有限会社えんがわ様の補助金セミナーはご覧になられたでしょうか。私も参加しておりましたが、何かしらの気付きを得ることができたと思いますので、とても有意義な時間でした。

さて、今回は昨年新型コロナウイルスの発生により注目されました補助金、とりわけ「小規模事業者持続化補助金」につきまして、お話しさせていただきます。

その前に補助金のシステムについて、軽く触れますと、私たちが生きる日本という国は、2%の大企業と、その他大多数を占めるのが個人事業主や中小企業で成り立っています。

大企業に比べますと、中小企業というのは零細企業が多いものですから、国の政策として、そのような企業さんを支援しましょうということで、補助金という制度が制定されました。その中でも中小企業支援法という法律等に乗っ取って、各種補助金等が予算として組み込まれ、補助金申請を行って、採択がなされた時に初めて事業を行えるというものが多い流れとなっています。

補助金の大多数は、前述しました申請及び採択がなされた後に、補助対象期間というものがあり、その期間内に事業を行わなければならないというルールがあります。

ですから、このルールを外れてしまって事業を行ってしまった場合は、補助金の対象とはならず「せっかく補助金のことを知ったのに、既に事業を終えてしまっていた」ことや「申請してからそのルールを知った」などのお話は、割とよく聞くことが多いものです。

ただし、令和2年度のみ例外的な補助金があり、それが「小規模事業者持続化補助金(コロナ型)」といわれるものです。

この補助金は、通常の「小規模事業者持続化補助金(一般型)」とは異なり、事業を終えた後でも、例外的に新型コロナウイルスにより影響を受けた事業者であれば、過去に遡り事業経費を計上して申請できるという特例的なものでした。

これにより従来の補助対象期間に補助事業を遂行するというルールが崩れてしまい、コロナウイルスの影響とは無縁のとても多くの事業者が、この補助金に応募するという現象が生じました。

年に複数回の募集があった本補助金ですが、最初の2回の採択率が8割越えに対し、3回目4回目の採択結果は平均して3割ととても厳しいものとなりました。

事務局からのコメントとしては、採択された事業者の3分の2がコロナ事業再開枠利用の費用を計上していたとのことで、「コロナ型」の趣旨をより踏まえた結果となっているようです。

私の申請書を作成させていただいたお客さんも直近で3件が不採択となりましたが、それらは事業再開型の費用計上を行っておらず、コロナによる業態の転換を謳っていても難しいものでありました。

このことを踏まえますと、3月下旬に第5回採択の発表を控えておりますが、そちらも厳しい結果となることが予想されます。

その一方で、小規模事業者持続化補助金(一般型)に関しましては、従来通りの採択率であり、きちんと計画性を持って申請を行えば、採択されるというものでした。

補助金の性質として全般的に言えることですが、各企業は自社が何のために補助金を利用したいかを考察する必要があります。

自社の新たな目標を定め、その達成の為に、弱点を洗い出すこと。これができて初めて補助金の検討を行うべきかと考えます。

一般型はその最たるもので、どの時期に何が必要で、いくら掛かると予測したうえで、確実なストーリーを立てる。そして金融機関の援助を受けてでも達成したいストーリーなっていれば、大きな確率で採択されると思います。

昨年の当職が作成した申請書はかなりの確率で採択されている一方で、うまく書いていても、いまいちピンとこないものがありますが、そのような場合は例外なく不採択となっています。

それは、何をしたいか分からず、とりあえず補助金貰えるなら貰いたいということに他なりません。

補助金の有効活用は、先に述べたとおり、しっかりとしたストーリーと加点項目をしっかり加算すること、できるだけ早めに「計画」類を策定して物事に整合性を持たせましょう。

何かございましたら、お気軽にご相談くださいませ。