その内容で本当に大丈夫ですか!? 知っておきたい火災保険の落とし穴

こんにちは、保険代理店(株)24時間の伊藤です。

 

今回は飲食業の店舗、特にテナント物件の“火災保険”にまつわるお話を2つさせていただきます。

保険は「転ばぬ先の杖」とよく例えられますが、いざトラブルが起きてから「こんなはずじゃなかった!!」という事態にならない為にも、ご参考にしていただければ幸いです。

 

<1>隣の飲食店から火事が発生!もらい火で店舗に被害が!!

 

テナント物件の場合は、同じ飲食店が並ぶビル内に店舗をかまえることが多いと思います。

その中で隣や階下・階上の店舗から火事が発生し、皆様の店舗にも被害が及んでしまった場合、当然火事の原因となった出火元の店舗へ損害賠償請求ができると思いますよね?

 

実は、原則として出火元の店舗へは損害賠償請求することができないのです。

 

「失火責任法(正式名称:失火ノ責任ニ関スル法律)」という明治時代からある法律により、失火者(出火元の店舗)は“重大な過失”がない限り、火事で他人に損害を与えてしまっても損害賠償責任は負わないと定まっております。この法律ができた当時、日本は木造長屋が多かったという歴史的な背景があるようです。

尚、“重大な過失”とはどのような場合に認められるかというと、ケースバイケースにはなりますが、少しでも注意していれば予測・防止できたにも関わらず、そのまま見過ごしていた為に火事が発生してしまった場合に認められるようです。

ご自身の店舗ではどれだけ気を配っていても、もらい火については防ぎようがありません。ですので、大事な設備や備品・内装を補償するためにも適切な火災保険にご加入いただくことをお勧め致します。

 

<2>居抜き物件での火災保険金請求時に思わぬトラブルが!!

 

居抜き物件は飲食店を開店するにあたり、初期費用を抑えることができるため非常に関心度が高いものと思います。

火災保険に加入する際、設備や内装に対する補償となる「設備・什器・備品」の補償金額はいくらに設定されていますか?

ご自身でお手配された機器や食器等の費用のみを積算して設定されてはおりませんか?

物件の賃貸借契約書の内容にもよりますので一概には言えませんが、「元々備え付けてある設備や内装等の造作については、借主の所有物として管理するものとする」等の内容が契約書内に記載されている場合は、それらも補償金額へ含める必要があります。

もし含めないまま少ない補償金額で火災保険に加入されていたとして、上記<1>でご紹介したような火災事故が発生した場合、営業再開できるだけの費用を火災保険で賄えない可能性があります。

居抜き物件のみならず、内装等の造作を補償金額に含めずご契約されているケースが多くあると感じておりますので、改めてご確認いただくことをお勧め致します。

 

いかがでしたでしょうか。

冒頭にもお伝え致しました通り、保険は「転ばぬ先の杖」です。杖を持っているつもりでも、万が一の時に役に立つ“杖”でなければ意味がありません。

必要なものを必要なだけ。効率的に且つ効果的に“杖”を保険で準備しましょう!!

 

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